2012年1月26日木曜日

貿易収支:日本、31年ぶり赤字転落

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/26 08:10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/26/2012012600595.html

「輸出大国」日本、31年ぶり赤字転落

 「輸出大国」日本が円高と原発事故により、31年ぶりに貿易赤字を記録した。
 しかし、海外投資収益を含めた経常収支は10兆円の黒字を計上する見通しだ。

 日本の財務省は25日、昨年の貿易収支が2兆4927億円の赤字だったと発表した。
 日本は第2次石油危機当時の1980年に2兆6000億円の貿易赤字となって以降は貿易黒字を計上し続け、2010年は6兆6347億円の黒字だった。
 日本の昨年の輸出は、円高と欧米の経済危機で電子、自動車の輸出が減少し、前年比2.7%減の65兆5547億円だった。
 一方、事故で原発の稼働が中断し、火力発電のための液化天然ガス(LNG)、石油などの輸入が急増した結果、輸入は前年比12.0%増の68兆474億円に達した。

 日本の専門家は今年も円高と原発稼働中断により、貿易赤字が避けられないと懸念している。
 現在54基ある原発のうち、稼動しているのは5基にとどまっている。
 その5基も4月末までに定期点検などで稼働を中断する予定で、原発事故による世論の反発が強まる中、再稼働できるかどうか不透明だ。
 円高と電力不安により、企業の海外移転も増えており、貿易赤字は長期化するとの観測も示されている。

 このため、為替相場では円が1カ月ぶりの安値水準まで下落した。
 ブルームバーグ通信は
 「上昇を続けていた円が下落に転じたのは、31年ぶりの貿易赤字を記録した日本経済の将来に対する不安を反映したものだ」
と報じた。




サーチナニュース 2012/01/26(木) 13:57
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0126&f=business_0126_130.shtml

31年ぶりに貿易赤字「日本の時代は終わった?

  財務省が25日、2011年の貿易収支を発表した。
 2兆4927億円の赤字となり、赤字への転落は第2次石油危機で原油輸入額が膨らんだ1980年以来、31年ぶり。
 韓国の複数のメディアもこの発表に注目し、詳細を報じた。

  韓国メディアは、
 「輸出大国の日本が貿易赤字国に」
 「日本の時代は終わった?」
と題し、輸出大国だった日本の地位が落ちてきていると伝えた。

  赤字の原因について、
 昨年3月の東日本大震災後の部品調達難、
 ーロッパの財政危機による世界経済の低迷や
 円高
などが重なり、輸出が低迷。
 また原子力発電の代わりに火力発電に依存したため、液化天然ガス(LNG)などの輸入が増加したとみられると分析。

  一方で、韓国の年間対日貿易赤字が29.0%も急減したことに対しても関心が集まった。
 日本から韓国への輸出額は5兆2688億円で3.5%減で、輸入は3兆1684億円で26.5%増加した。
 輸出額が輸入額よりも2兆1004億円多かったが、2010年より29.0%減少した。
 昨年の対日貿易赤字の減少幅(29.0%)は、1998年(65.0%)と1982年(32.1%)に続き、1965年以降歴代3番目にあたるという。




ロイター 2012年 01月 25日 15:11 JST
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE81K0IY20120125?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

コラム:31年ぶり貿易赤字、「円高恐怖大合唱」の盲点

田巻 一彦

[東京 25日 ロイター] 
 2011年の日本の貿易収支が31年ぶりに赤字となったが、急速に進んだ円高のメリットを指摘する声が小さいのはどうしてなのか。
 2兆4000億円超の赤字を記録し、現実に原油高の影響を緩和させる効果を出し、所得の海外流出幅をより小さくした点に注目してもいいだろう。

 予想外に堅調な個人消費の背景に円高メリットも隠れている可能性が大きく、闇雲な「円高恐怖大合唱」はバランスを欠いていると思う。

<円高で所得流出抑制>

 財務省が25日に発表した2011年の貿易統計では、1980年の2兆6129億円に次ぐ史上2番目の大きさとなる2兆4927億円の赤字となった。
 東日本大震災やタイ洪水の影響による輸出減少と、
 原発事故による原油や液化天然ガス(LNG)の輸入増加
が重なった結果と見ることができる。

 この貿易赤字傾向が継続するのか、一時的かという見通しについては様々な指摘が交錯しているが、輸出が回復するとしても、原発稼働の先行きが見通せない現状では、原油やLNGの高水準な輸入は継続する可能性が高い。
 さらに原油価格にはイラン情勢など地政学的リスクによる価格上昇圧力がかかり続ける予想される。
 とすれば、
 規模縮小はあるものの2012年も貿易赤字になる可能性は相当にある

と予想する。

 ここで問題なのは、
 貿易赤字国である以上、自国通貨高は経済全体にはプラス効果になっている
という点だ。
 円高なかりせば、貿易相手国に支払う代金が増加し、海外への所得流出が増えていたはずだ。
 つまり今よりも円安で推移していたら、日本の貿易赤字幅は一段と拡大し、日本経済の負担するコストが増大していたことになる。

 だが、国内メディアの多くは、そうした
 円高メリットに言及することはまれで、円高のデメリットばかりを喧伝する

傾向がある。
 貿易黒字が対GDP比で今よりも格段に高かった1980年台以来のパターン化した報道に、多くの国民も慣らされ、「円高イコール不景気」というイメージが定着しているようだ。

 円高が進行すれば、自動車業界を筆頭に「収益悪化」を訴え、政府・日銀に円高進行阻止に向けた政策実行を求めるケースが、このところ目立っている。
 しかし、実際に2011年の貿易収支が赤字になったのであるから、円高で利益を受けた企業もあるはずだ。
 そうした企業は声を潜め、目立たないようにしているためメディアへの露出も少ない。
 お茶の間のテレビを通じて経済ニュースに接している人々にとっては、
 「円高は不景気につながる」
との印象を強める構図になっている。

<個人消費支える要因に>

 存在しているはずの円高メリットは、どこに行ったのか──。
 大きな流れの1つは、原油やLNGを大量に輸入した電力業界に流れ込んでいるとみていいのではないか。
 2011年の為替レートは前年比7.2%の円高になっているが、もし、円高がなければ、電力業界の支払いコストは円高相当分が上乗せされていたはずだ。
 電力各社がどのようなコスト計算をして、料金に反映させているのか、所管の経済産業省は厳格にチェックして意見を表明すべきだ。

 また、円高で最終消費財がどの程度、影響を受けているのか、データ等によるはっきりした証拠はないが、一部衣料品や家具などの輸入品価格の値下げなどで消費が刺激されている面は否定できないと考える。
 日銀の白川方明総裁は24日の会見で、意外に堅調な個人消費の背景には、薄く広く円高の効果があるだろうとの見方を示した。

 円高が原材料価格の上昇を吸収し、最終消費財の値上げが大きな基調にならなかったことで、消費者の購買心理が弱気化しなかった点もありそうだ。
 値上げラッシュになれば、買い控えムードがまん延し、個人消費は下押し圧力を受けていただろう。
 それと反対方向の効果があった可能性にも注目するべきだ。

 ただ、高いブランドイメージを武器に値下げせずに販売増を図っている欧州系自動車や服飾品だけでなく、ワインやその他の輸入食料品の値下げもあまり進んでいない。
 「在庫品は、ユーロ安が進む前に輸入した」(ワイン輸入業者)という理由から値下げに消極的な企業が少なくない。
 だが、それは表面的な理由に過ぎず、そうしたケースでは輸入業者が円高差益を享受しているのではないか。
 とすれば、製品輸入比率の高い企業の業績は、今後伸びが期待できるだろう。

 円高の進行は、「約1,400兆円」にのぼる個人金融資産の対外的な価値を高める。
 そのことがある種の資産効果として、日本経済全体にプラスとして働く面も、大きな経済の枠組みから見れば、注目するべきだ。

 顧みられることが少なかった円高の効果は、皮肉にも31年ぶりの貿易赤字転落という苦い経験とともに、再注目される機会を得たのではないかと考える。
 政府・日銀が円高のマイナス面として意識している中に、円高進行による家計や企業の心理的な悪化効果がある。
 多くの国民が冷静に円高のプラス/マイナス面を評価するようになれば、心理面への波及経路に大きな変化が生じる可能性があると指摘したい。

*筆者はロイターのコラムニストです。
 本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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ブルームバーグ 更新日時: 2012/01/27 12:13 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LYEWMI1A1I4H01.html

【コラム】「日本が模範だなんて」クルーグマン教授大反論-ペセック

1月27日(ブルームバーグ):多くの人がとっくの昔に決着したと考えていた問題をめぐって、熱い論争が突如巻き起こった。
 日本経済が世界にとって取るに足らない存在になるかどうかという問題だ。

  発表されたばかりの統計では、昨年の日本の貿易収支が31年ぶりの赤字に転落した。
 少なくともこの事例が意味することは、膨れ上がる債務の穴埋めに利用してきた巨額の家計貯蓄を今度は貿易赤字対策に使わなければならなくなるかもしれないということであり、これは不吉な兆候だ。

  日本が無用の存在になるようことはないと、アイルランドのジャーナリスト、エーモン・フィングルトン氏は言う。
 同氏は最近、米紙ニューヨーク・タイムズに
 「The Myth of Japan’s Failure(日本の失敗という神話)
と題した論説を寄稿した。
 失敗どころか日本は世界が模倣すべきモデルだという同氏の説があまりに大きな反響を呼んだため、ノーベル経済学賞受賞者でNYT紙コラムニストのポール・クルーグマン教授は反論を展開した。
 同教授はアジア第2の経済国日本にはほとんど魅力を感じていない。
 これにフィングルトン氏が再反論した。

  どちらが正しいのか。
 私はどちらかと言えばクルーグマン教授寄りだ。
 あまりに膨大な債務と
 低過ぎる成長、
 多過ぎる高齢者、
 少な過ぎる新生児
という日本が持つ毒物の組み合わせは、日本政府が早急に手を打たない限り暗い未来をもたらすだろう。

  しかしながら、フィングルトン氏が正論を述べている部分を見つけることは重要だ。
 日本がある意味で理想的社会である部分だ。

■日本化も悪くない

  信じられないほど安全で清潔、効率的で確実性が高く、外国人には驚きの尽きない場所だ。
 結構平等主義の国であり、生活水準は世界でも最高水準で、平均寿命は世界最長。
 どこへ行ってもインフラは整っている。
 さらに、日本料理は世界一だ。

  米国がある意味で、いつの日か日本になれるものならなりたいと考えていることも指摘しておく必要がある。
 「日本化」はあたかも世界の終わりのように言われている。
 失われた数十年、
 経済を衰退させる膨大な負債水準、
 永久に続くゼロ金利、
 金融の混乱、
 刹那的な諦めの感情。
  こられはどれも事実だが、懐疑主義者の予想に反し日本は決して崩壊しない。

  犯罪が急増することもなく、ホームレスが街にあふれることもない。
 アラブの春のような社会の不安定化は決して起こらない。
 勤労者と企業はただ適応し、貯蓄で食いつなぐ。
 日本は「どうにかやっていく」という概念に全く新しい意味を与えた。

  米国に同じことができるだろうか。
 私は大いに疑わしいと思う。
 20年間の経済停滞を日本が乗り切れる鍵は、約15兆ドルの家計貯蓄だ。
 米国民の多くは収入が途切れれば2カ月と生き延びられないが、日本人は全く違う。

■見えない繁栄

  しかしフィングルトン氏の正解はここまでだ。
 同氏は1995年に
 「Blindside: Why Japan Is Still on Track to Overtake the U.S. Bythe Year 2000(邦題:見えない繁栄システム―それでも日本が2000年までに米国を追い越すのはなぜか)」
という本を出している。
 だが今日では、日本の将来についての強気派にとっての盲点は、昨日うまく行ったやり方が明日もうまく行くと彼らが考えていることだ。

  1990年ごろの資産バブル破裂以来、政策当局者らは戦後のブームを生きながらえさせることに必死になってきた。
 何年もの間、評論家たちは日本のいわゆる「ゾンビ」企業のことを心配していたが、本当のゾンビは日本経済の基本戦略だ。
  日本の成長を生み出しているのはただ、世界最大の政府の借金と中央銀行が供給するコストゼロのマネーだ。
 日本株式会社を生かしているのはその活力ではなく、経済のステロイドだとクルーグマン教授は論じる。
 日本には大規模な規制緩和と女性の労働力の活用、移民の受け入れなどが必要だが、日本の政治家はそのいずれもしていない。

■アキレス腱

  変化を嫌う風潮は依然として根強い。
 これが日本の「アキレス腱」だ。
 オリンパスの不祥事は仲間内の関係に守られた縁故主義がいまだに生き残っていることを示したし、福島第一原発事故での東京電力の対応は世界経済の常識から外れた日本の危険な上意下達ぶりを露呈した。
 日本のジャーナリズムは弱腰で、放射能レベルなど政府や大企業が好まない質問をする記者は排除されかねないので大方はおとなしくしている。

  それでも、中国の存在がなければ日本はあと数年、ユニークなままでいられただろう。
 しかし、豊かになろうとする13億人のエネルギーが、それを不可能にする。
 アジアの新興国がコスト高の日本市場を侵食する中で、デフレは日本を去らないだろう。

  欧州の次にやってくる債務危機を考える時、投資家は米国や中国に目を向けがちだ。
 日本国債が売られることを想定した取引はあまり利益が出ていない。
 しかし今年、日本は不吉な節目に達した。
 1月9日の成人の日、20歳を祝ったのはわずか120万人と、1970年の半分になった。
 人口減少は、国内総生産(GDP)の2倍を超える12兆ドル規模の債務の返済を難しくする。

  ノーベル経済学賞をもらっていなくても、国民がいなくなってしまえば、国がデフォルト(債務不履行)することくらいは理解できる。

(ウィリアム・ペセック)
(ウィリアム・ペセック 氏はブルームバーグ・ニュースのコム ニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
記事についての記者への問い合わせ先:東証 Willie Pesek wpesek@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Greiff jgreiff@bloomberg.net




日経新聞 2012/3/22 10:01
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381949EE0E0E2EB918DE0E0E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

2月の貿易収支、5カ月ぶり黒字 米国向け輸出堅調

 財務省が22日に発表した2月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた
 貿易収支が「329億円」の黒字
になった。 
 1月は単月で過去最大の赤字(1兆4768億円)だったが、
 2月は少額ながら5カ月ぶりに黒

に戻った。
 米国向け自動車輸出の伸びなどが貢献した。
 
 輸出額は全体で前年同月比2.7%減の5兆4409億円で、5カ月連続のマイナスだった。 
 欧州連合(EU)やアジア向けの輸出が引き続き振るわなかった。
 しかし、米国向けは11.9%増と4カ月連続のプラス。
 特に需要増を背景に自動車輸出の伸びが目立った。 
 財務省では
 「タイの洪水で輸出できなかった分が回復した影響もある」
とみている。
 中国向けは春節(旧正月)で落ち込んだ1月と比べ減少幅が縮小した。

 一方、輸入額は9.2%増の5兆4079億円で、26カ月連続のプラス。
 原油価格の高止まりや原発停止の影響で火力発電用の液化天然ガス(LNG)の輸入増が続いた。

 貿易黒字額は前年同月比では94.8%減の大幅なマイナス。
 2月としては比較可能な1979年以降で過去2番目の少なさとなった。

 貿易黒字に戻った理由について、財務省は
 「米国向け輸出の増加幅拡大に加え、1月にマイナスだった東南アジア諸国連合(ASEAN)向け輸出がプラスに転換したことなどが背景にある」
と分析している。
 足もとの円安の影響については
 「どこまで影響しているかまだ分からない」と指摘。
 先行きに関しては「アジアやEU向け輸出や米景気の動向、為替相場を含めて注視する必要がある」
としている。
 〔日経QUICKニュース〕






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