2012年1月24日火曜日

韓国史は中国史に組み込まれるのか

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 昨日書いたが、韓国は中国の背中に乗ってしまっている。
 経済優先策をとっているため降りるに降りられなくなってしまっている。
 そのジレンマが今日の記事にメンメンと綴られている。
 背伸びをすればするほど、中国から足が抜けられなくなる。
 その反力でズルズルと中国という泥土に飲み込まれていく。
 待ち受ける暗い未来。
 もしかしたら、それが明るい未来なのかもしれないが。
 何とか精神的安定を取り繕うとする表現に散りばめられた言語矛盾の数々とその心理的恐怖の表出。
 かわいそうな韓国。
 現実は苦い。
 以下はすべて24日版による。


朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/24 08:33
http://www.youtube.com/watch?v=MXTsc12q-dU&feature=related

対中関係は「連米和中」で
鄭徳亀・ニア財団理事長インタビュー

 「韓米同盟を基本として、中国とは敵にならないようにすべきだ。
 米国と連体し、中国とは和合する『連米和中』政策が必要だ」

 東アジアの戦略研究を行うニア財団の鄭徳亀(チョン・ドック)理事長は今月3日、本紙のインタビューに応じ
 「韓国の生き残りと統一の方程式は、中国の変数を考慮しなければ解くことができない。
 中国との緊密な対話を通じ、信頼関係を構築しなければならない」
と述べた。
 1999年から2000年にかけ、産業資源部(省に相当)長官を務めた鄭理事長は、03年に北京大、05年に中国人民大の招聘(しょうへい)教授として、中国の研究を行い、『巨大中国との対話』『韓国を見る中国の本心』などの著作がある。

 以下はインタビューの一問一答

―近い将来、中国が世界の政治経済をリードするという見方が多い。
 いつごろのことか。

 「国内総生産(GDP)で早ければ2018年、遅くとも22年に米国に追い付くだろう。
 問題は総合的な国力だ。
 中国は透明性と信頼、政治体制に対する不満解消、金融システム改革、国際的指導力の確保という四つの橋を渡らなければ、米国を追い越すことはできない。
 全ての国民が豊かに暮らす生活の質、学問と知識の世界で中国が1位になるには相当の時間がかかるだろう。
 しかし、東アジアの中心となることは可能だ」

―中国はどんな戦略で軍事力の増強を急いでいると考えるか。

 「中国は米国と日本を仮想敵国と見ており、広い領土と人口をいかに守るかに焦点を合わせている。
 米国は中国海軍の軍備拡張がアジアの自由航路に対する脅威を高めると考えている。
 韓国と中国が全面戦争で得る利益はないため、両国間で全面戦争が起きる可能性はない。
 しかし、西海(黄海)で韓中による局地戦が起きる可能性はある。
 韓国軍は独自に作戦を遂行できる能力を備えなければならない」

―中国の人民元がドルに代わる基軸通貨になるという見方がある。

 「現在はドルという大きなダイヤモンドの指輪をユーロ、ポンド、円などが取り巻く多国間通貨体制だ。
 ドルやユーロと並ぶ基軸通貨となるためには、全世界に占める貿易の割合が20%に達しなければならない。
 変動相場制と資本市場開放、独立した中央銀行の存在など前提条件も必要だ。
 中国がこれらの条件を満たすには20年以上かかる。
 しかし、ウォンと人民元の直接取引は近い将来に実現する可能性がある。
 そのため両国間のマクロ経済調整機関を設立し、協力していくことが必要だ」




記事入力 : 2012/01/24 08:35
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/24/2012012400105.html

対中交渉では日米カードを駆使すべき
対中外交専門家デヌーン氏

 『中国とインドの戦略的浮上』という著作がある米ニューヨーク大政治経済学科のデービッド・デヌーン教授は今月6日、本紙の電話インタビューに対し、韓国、中国、日本の3カ国について、離合集散を繰り返しながら関係を維持する「ロマンチックな三角関係」にたとえた。
 米国防副次官補、米輸出入銀行副総裁を務めたデヌーン教授は、米国で対中外交・通商の専門家として知られる。

 デヌーン教授は、中国の成長に伴う東アジア3カ国の関係変化を一つのものさしで性急に定義してはならないと指摘した。
 経済的な側面だけで見れば、中国の浮上は韓国、日本企業に東アジアでの貿易市場の拡大をもたらした。
 しかし、中国は政治・外交的に強硬な独自路線を歩んでいる。
 日本とは尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり領土紛争を繰り広げ、反政府活動家を有無を言わさずに捕まえて処罰する。
 天安沈没、延坪島砲撃事件でも明らかになったように、北朝鮮問題が国際問題化した際には韓国に味方しない。

 デヌーン教授は
 「韓国は日本のような民主主義国家でありながら、独島(日本名・竹島)など領土紛争で日本を敵視し、中国と同じ立場を取っている。
 東アジアは必要に応じ、3カ国が離合集散する複雑な構図を形成している」
と分析した。

 一方、デヌーン教授は、世界が中国の台頭に注目する余り、日本の経済力をあまりに度外視していると指摘する。
 教授は
 「開発が続く先端技術、これまでに蓄積された特許で得られる巨額のロイヤルティー収入など、日本経済には底力がある。
 韓国を含む世界各国が東アジアの可能性を論じる際、中国と同様に日本に注目する必要がある」
と述べた。

 世界2、3位の経済大国に挟まれた韓国の東アジア戦略については、協力よりもけん制が効果的だと見方を示した。
 デヌーン教授は
 「韓国は中国との経済・外交的交渉で『われわれには日本や米国いう代わりがある』という点を戦略的に掲げる必要がある。
 円満な韓米、韓日関係は、韓国が中国と外交・経済上の交渉を行う際に強みとなる」
と指摘した。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/24 08:37
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/24/2012012400106.html

韓米同盟強化、中国狙いではない
ベイダー元米NSCアジア上級部長インタビュー

 「韓国が『米中の間でバランスを取らなければならない』という考えは誤ったレトリックだ。
 韓米同盟と韓中関係は『ゼロサムゲーム』ではない。
 どちらか一方と親しく付き合えばよいわけではない。
 韓中が接近すれば、米国は北東アジアの安全保障維持という意味でそれを歓迎するだろう」

 オバマ政権で昨年まで韓半島(朝鮮半島)、中国政策の司令塔を務めていたジェフ・ベーダー元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は今月5日(現地時間)、ワシントンのブルッキングス研究所の事務室で本紙のインタビューに応じ
 「米国は韓米同盟を強化する過程で、一度も韓国に『中国と距離を置け』と求めたことはない」
と語った。

 以下はインタビューの一問一答。

―中国の台頭は韓米同盟にどのような影響を与えるか。

 「韓米同盟の第一の目的は、北朝鮮の脅威を抑止することであり、中国を狙ったものではない。
 中国側もこのことをある程度は理解している。
 中国の台頭は北東アジアの安全保障にとって不確定要素だというのは違いないが、そういう脈絡で見れば、韓米同盟の中核には特に影響を及ぼすことはない。
 また、同盟の焦点を変えることもない」

―しかし、韓米同盟が強化されるほど、中国は都合が悪いと感じているようだ。

 「もちろん、そうかもしれない。
 米国が北朝鮮から韓国を守るため、空母ジョージ・ワシントンを西海(黄海)に派遣したり、ミサイル迎撃システムを韓半島に設置すれば、当初の目的とは関係なく、中国も射程圏内に入るため、中国は懸念するかもしれない。
 しかし、それは韓米が力を合わせて中国と戦おうとしているわけではない。
 その点を米中対話を通じて説得に努めている」

―中国は韓米同盟を「冷戦時代の遺物」と見なしているが。

 「中国側の論理では、韓半島の分断自体が冷戦の遺物だ。
 そして、その問題を解決するためには、中国が『冷戦の残滓(ざんし)』と批判する韓米同盟が最も効果的な方法だ」

―反対に韓国が中国とさらに接近すれば、米国はそれを嫌うか。

 「韓国は地政学的に中国と近く、経済的にも既に米国より中国と密接な関係にある。
 米国は韓国と中国の関係改善を長い間支持してきた。
 韓国が中国と接近すれば、北朝鮮を抑止する上でも役立つ。
 韓中関係の改善はむしろ米国の利益につながる」

―一部には、韓国が今後、米国と中国のいずれかを選択しなければならない状況が訪れるとの見方がある。

 「問題が存在すれば、解決法を示せるが、私は何が問題なのかよく分からない。
 米国や中国が韓国に対し相手を遠ざけるよう求めれば、韓国は困惑するだろうが、そういうことも起きていない。
 過去に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権でそういう状況が訪れると仮定した論議があったと聞いているが、米国は一度もそのような要求を行ったことはない」

―北朝鮮情勢が急変した場合、米中が韓国抜きで韓半島の将来に関する協議を行うのではないかという懸念がある。

 「それは絶対にあり得ない。
 現在強化された韓米同盟の中核は、双方があらゆる課題を事前に協議することだ。
 オバマ大統領は就任初日から
 『北朝鮮問題でワシントンとソウルが一致するまで、米国はいかなる提案も行わない』
という原則を定めており、それは韓半島のいかなる急変事態にも適用される。
 北朝鮮に何か起きた場合には、米中、韓中、韓米中などさまざまな対話を行うことになるが、意思決定のプロセスで韓国が主導権を握ることはあっても、除外されることはないだろう」

―今年は米中双方でリーダーシップに変化が生じるが、韓米同盟にどのような影響を与えるか。

 「米国の韓米同盟に対する立場は超党派的で、すでにシステムとして定着している。
 そのため、どの党が政権を取っても、在韓米軍などに大きな変化はないだろう。
 中国では習近平国家副主席が自身の構想に沿って、政策を一部修正するかもしれないが、外交・安全保障面では大きな変化はないとみている」




朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/24 08:53
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/24/2012012400112.html

中国の懸念に耳を傾ける必要がある
韓国の対処案は

 尹永寬(ユン・ヨングァン)ソウル大学教授(元外交通商部〈省に相当〉長官)は9日
 「韓米関係は同盟だが、韓中関係は同盟ではないため、質的な差がある。
 その点を考慮し、政策を展開しなければならない」
と語った。
 その一方で、尹教授は
 「中国が懸念する事項については真剣に考慮して意見を反映させ、中国が(韓国と)協力できるように努めなければならない」
とも述べた。

 尹元長官は、中国の台頭について
 「現在の韓米関係を変えなければならないような、特別な変化はないとみている」
と語った。
 中国は、30年前からコンスタントに成長を遂げており、中国の急浮上は新たな状況ではないという。
 また、最近の米中関係は、主に対立と競争の側面が浮き彫りになっているが、実際には両国の協力関係も順調に進展しているという。
 特に、昨年の米中首脳会談以降、両国関係は安定していると尹教授は分析した。

 尹教授は、こうした状況の中で、韓米が焦って同盟水準の強化などの対応に出れば
 「中国側が『民主主義国家の韓米日が団結して中国の包囲、攻撃に乗り出そうとしている』と考える恐れがあるため、政策決定者は慎重に行動しならなければならない」
と語った。
 中国の政治指導者は、周辺諸国が団結して中国を包囲することに恐れを抱いているからだ。
 尹教授は
 「49年の中華人民共和国政府樹立後、国内事情が困難な中でも、中国は韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦した。
 これはまさに、こうした懸念があったからだ。
 今後、このような中国の懸念をどのように解消していくかが重要な課題」
と語った。

 尹教授は
 「米中が東アジアの安定や韓半島(朝鮮半島)問題をめぐり、協力しようと努力している点を考慮しなければならない」
とも語り
 「特に、韓半島の平和と統一を目指す上で、その決定的瞬間に中国の協力は欠かせない。
 韓国は、韓米同盟を維持しながら、中国の協力を引き出さなければならない」
と述べた。

 尹教授は、中長期的には、韓米同盟と朝中同盟をまとめる「東アジア協力メカニズム」を構築する必要があると指摘する。
 このメカニズムは、領土紛争や歴史歪曲(わいきょく)といった事案が発生した場合に、これを調整し解決に導く、一種の緩衝装置だ。
 尹教授は、冷戦時代の75年に、大西洋沿岸の北大西洋条約機構(NATO)加盟各国と旧ソ連・共産圏諸国が対話促進のために創設した「欧州安全保障協力機構(OSCE)」がモデルになると語った。
 尹教授は
 「OSCEで、同盟を結んだ国とそうでない国が安全保障問題について共同で話し合ったように、東北アジア協力メカニズムが構築されれば、韓米同盟、日米同盟、朝中同盟も全て包括できるようになる」
と語った。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/24 08:55
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/24/2012012400117.html

中国はグローバルリーダーになれない
デービッド・カン教授インタビュー

 「文化大革命、天安門事件など中国の近現代史には公に語ることが難しい点が多い。
 中国はそのような事件を避け、自分たちに都合のよい歴史を書くために苦戦している」

 デービッド・カン南カリフォルニア大国際関係・経営学科教授(韓国学研究所長)は3日、本紙の電話インタビューに応じ、中国が韓日など周辺国と対立してまで一方的に押し通そうとしている歴史と文化の歪曲(わいきょく)は中国的価値観の不在に起因すると分析した。
 『中国の浮上:東アジアの平和・勢力・秩序』の著者であるカン教授は、米国の代表的な東アジア専門家の一人に数えられる。

 以下はインタビューの一問一答。

―中国は最近、韓国の民謡「アリラン」を国家無形文化遺産に登録し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産にも登録しようとして、韓国人の怒りを買った。
 中国が東北工程(高句麗などを中国史に組み込んだ中国政府主導の歴史研究プロジェクト)、アリランの文化遺産登録など、外交紛争を招くことが明らかな問題に手を付ける理由は何か。

 「中国政府、そして中国国民は、近代中国人としてのアイデンティティーを確立できずにいる。
 チベット、新疆ウイグル自治区など少数民族による分離運動が絶えず、内部統合が急がれる状況にある。
 通常、国民を統合するためには『一つの価値観』が使われるが、まず現在の『中国的価値観』とは何なのか、中国は混沌(こんとん)に直面している」

―中国のように歴史の長い国が中国的価値観を確立できず、混乱に直面しているという意味か。

 「そうだ。
 中国は文化大革命で歴史を消し去り、その後、トウ小平が文化大革命の歴史を再び消し去った。
 そして、今の政権は天安門事件を歴史から削除しようとしている。
 中国政府は現在、歴史を『発明』しなければならない状況だ。
 そのため、普通は歴史を通じて確立されるべき国家的価値観があいまいなものにならざるを得ない。
 中国がグローバルリーダーになるためには他国を尊重し、安定した価値観を確立する必要がある。
 世界は現在、中国の価値観とは何かを理解できずにいるため、中国が国際的な救援活動を行ったり、平和維持軍を派遣することに対し、ほかの意図があるのではないかと疑い、対応に苦慮している」

―中国は昨年10月、共産党中央委員会会議で「文化体制改革」を打ち出した。これについては、どう解釈すべきか。

 「中国が改革開放を推進して以来30年もの間、中国の価値観とは『裕福になろう』というものだった。
 中国人は実際に以前よりもはるかに豊かになり、プライドも回復した。
 一方で『尊敬される大国になるためには、富の増加ではなく、多くのものが必要だ』という点を考える次の段階に進んだと言える。
 中国政府は最近、『価値』『文化』という単語を頻繁に使っている。
 孔子を再び引き合いに出し、国家の文化的象徴のように宣伝している例が代表的だ。
 しかし、平和と調和を唱える孔子は、国民を抑圧する今の中国政府には似合わない。
 中国的価値観と見なすには十分ではない」

―中国的価値観の確立が韓国とアジアにどのような影響を及ぼすか。

 「中国がアジア、そして、世界で自分たちの位置をいかに確立するかという問題は、中国が空母を何隻持つかということよりもはるかに重要だ。
 中国の軍事力が韓国の20-21倍に達するしても、事情が大きく変わることはない。
 しかし、中国がどんな歴史観と価値観を確立するかによって、東アジアの安定が揺らいだり、外交紛争を引き起こす可能性もあり得る。
 『力のバランス』を論議している米国政府も焦点を変える必要がある。
 中国の軍事力拡大を懸念するのではなく、中国が中国的価値観を確立する過程を細かく観察すべき時が来ている」




朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/24 08:57
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/24/2012012400118.html

韓国史は中国史に組み込まれるのか
10年間の「清史工程」が今年で終了

 中国が清朝の歴史記録を編さんするために2003年から進めてきた「清史工程」は、清朝滅亡から100年目に当たる今年で完了する。
 中国はその結果物として、歴代王朝として26番目の正史となる『清史』を年内に出版する予定だ。
 明の時代にまとめられた『元史』、清の時代にまとめられた『明史』など過去の歴史書には、古朝鮮、高句麗、高麗、朝鮮など韓国史が『外国列伝』に収録されている。
 これに対し、今回出版される『清史』には、高句麗などが中国の地方政権だったとする「東北工程」の論理に従い、韓国史が中国史の一部として記述される可能性が指摘されている。
 そうなれば、韓国と中国は収拾不能な外交紛争に巻き込まれ、ネットユーザーをはじめとする両国国民の感情的衝突が起きると予想される。

 中国は急速な経済成長を成し遂げた2000年代以降、現在の中国領に居住する56の少数民族全てを中国の歴史とする「統一的多民族国家論」を国家主導で強化する歴史工程を展開してきた。
 中国社会科学院傘下の辺疆(へんきょう)史地研究センターは02年、古朝鮮、高句麗、渤海の歴史を中国史に組み入れる東北工程を開始。
 さらに、西部のウイグル地域に対する「新疆事業」、チベット地域に対する「チベット事業」、内モンゴル地域に対する「北疆事業」など一連の歴史工程を進めてきた。
 中国は少なくとも七つの歴史工程にそれぞれ毎年400万―600万元(約4900―7300万円)の費用をつぎ込んだ。

 中国の歴史工程は、多民族国家を統合するための努力と位置付けられる。
 チベットの僧侶の集団焼身自殺など少数民族地域で起きている紛争の余波を最小化し、民族統合を成し遂げようという側面がある。
 しかし、現在を基準として、過去の歴史までさかのぼり、歴史の裁断を行う中国の歴史工程は、周辺国の不安をかき立て、対立の種となっている。
 歴史を通じ、隣国を侵略、収奪しようとする「歴史帝国主義」だとの批判も出ている。
 隣国と対立を起こす歴史認識では、中国の国力がいくら強くなっても「グローバル・リーダーシップ」を持つことができないと指摘されている。

 国家間の歴史問題はしばしば領土問題にも発展するため、非常にデリケートな問題だ。
 中国はインド、日本、ベトナムなどとの領土紛争地域が歴史的に自国領だと強調している。

 東北工程もまた、今後北朝鮮への影響力を主張するための中国の国家戦略ではないかといわれる。
 東北アジア歴史財団のキム・ヒョンスク研究委員は
 「東北工程は歴史的事実に基づく学術研究というよりも、韓半島(朝鮮半島)情勢の変化に対する対応策を講じようとする中国政府の戦略的な意図が反映されている」
と指摘した。




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