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● 朝日新聞より
日本列島という小さな枠組みの中で社会レベルを保持し、環境にやさしい生活をするのに上限とされる人口は8千万にから9千万人とされている。
これを「適正人口」というが、適正人口という表現は国家統制の現れが出ているとして、あまり日本では使われず、「静止人口」という表現になっている。
ここでは適正人口という表現を使うが、だいたい8千万人から9千万人の間とされている。
ということは「2060年の8,700万人」というのは期待する人口に近くなる。
が、これはウエーブを描くのでさらに落ち込むだろう。
8,300万人くらいまで落ち込んで、そのあたりを底辺としてウエーブは上昇に転じる。
政府は9千万人でソフトダウンさせたいとの以降は以前から表明していたが、一回落ち込んで9千万人に戻す形をとることになるだろう。
が、しかしそのウエーブは9,000万人を上限としてまた下降に移るだろう。
おそらく、8,500万人から8,700万人くらいが、日本列島という限られたパイでの人口になると予想されている。
いま目標とされているのは、過剰人口になっている日本の人口数をそこそこの数に戻すことである。
まずは2050年までに1億人を切ること。
これが適正人口への入り口になる。
もちろん人為的にではなく、自然にである。
「自然に」とは生態的にということである。
生態学的にとはエコロジカルにということである。
これまでの工業社会のように技術科学で自然を征服して、それをコントロールしようとするような一元的な指向ではなく、自然の一部としての人間という観点から、自然と人間が共生していくという指向である。
日本人のDNAは人口過剰を察知して、それに対応する処置をとっている。
いわゆる少子化である。
これは、生物としての日本列島という
限られ地域に住む民族が種保存の対策としてとっている処置
だとみなしていい。
2048年に「9,913万人」となり、まずは1億人を切るという目標は今世紀前半には達成されそうである。
『
朝日新聞 2012年1月30日10時16分
http://www.asahi.com/national/update/0130/TKY201201300068.html
50年後の出生率、上方修正1.35 人口問題研が推計
日本の人口と出生率の推移
国立社会保障・人口問題研究所は30日、2060年までの将来推計人口を公表した。
2048年に総人口が1億人を割り、2060年には8,674万人まで減る見通し。
一方、女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)の50年後の見通しは1.35で、06年の前回推計の1.26から上方修正した。
ただ、少子高齢化や厳しい人口減が続く傾向は変わっていない。
人口推計の土台となる出生率は、10年時点で1.39。今後は低下基調で、20年代前半に1.33程度になるものの、その後は安定し、60年まで1.35前後で推移するとみている。
今回、出生率の見通しを上方修正したのは、この数年の出生率の回復を反映したため。
2055年までを推計した前回は、2000年代前半の出生率の落ち込みを、出産意欲を持たない女性の増加ととらえ、その基調が続くとみていた。
しかしその後、30歳代半ば以降の「駆け込み出産」傾向がわかり、こうした女性は意欲を失ったのではなく、厳しい雇用・経済情勢のため先延ばししていただけだったとの見方に修正した。
』
『
毎日新聞 2012年1月30日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120130dde001040004000c.html
将来推計人口:2048年に1億人割れ
2060年に8,674万人、高齢者4割に--厚労省研究所
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は30日、2011~60年の将来推計人口を公表した。
10年に1億2806万人だった日本の総人口は、48年に1億人を割り、60年には今より3割減の8674万人になると予測している。
推計の前提となる合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)は、60年に1・35になるとみて前回06年推計の1・26から上方修正したものの、60年には総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が4割に達し、超高齢化の進行に歯止めは掛かりそうにない。
推計人口は10年の国勢調査に基づき算出した。最も可能性が高いとみる「中位」のほか、厳しく見積もった「低位」、その逆の「高位」の3推計を示した。
60年の総人口8674万人は中位の数値。
推計は昨年3月の東日本大震災の影響による「産み控え」などを考慮、11年末~12年にかけて出生数が減り、12年には合計特殊出生率がごくわずか低下するとみているものの、13年以降への影響は小さいと判断している。
今回、将来の同出生率を上方修正したのは06年以降実績が上昇基調に転じ、10年には1・39に回復したため。
前回の06年推計は、基準の05年に過去最低の1・26に落ち込んだことを織り込み、前々回の02年推計を下方修正していた。
ただ、長期的には若い世代の出生率が低下する傾向は変わらないとみている。
中位推計によると、40年代には総人口が毎年100万人単位で減っていく。
10年の実績と60年の推計値を年齢層別に比べると、0~14歳は1684万人(総人口の13・1%)から791万人(同9・1%)、15~64歳も8173万人(63・8%)から4418万人(50・9%)へほぼ半減。
65歳以上は2948万人(23・0%)から3464万人(39・9%)に増える。
1人の高齢者を支える働き手の数は10年の2・8人から1・3人に減る。
平均寿命は10年は男性79・64歳、女性86・39歳だったのが60年に男性は84・19歳、女性は90・93歳に伸びる。
人口推計は国勢調査に合わせ、同研究所がおおむね5年に1度、公表している。
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『
TBSニュース
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日本の人口は「1950年」に「8,400万人」ほどだった。
その50年後の「2000年」には「1億2600万人」になっている。
半世紀で人口が1.5倍になるという驚異的な増加を記録している。
いわゆる「人口爆発」がおきたのである。
その10年後の「2010年」の人口は「1億2800万人」
つまり、10年間でたった「200万人」しか増えていない。
直前の10年間の平均は「840万人」であったのがである。
いわゆる「人口の頭打ち状態」に入った。
そして50年後の「2060年」の人口はというと予想推定値では「8,700万人」
いわゆる「人口収束」が起きると言われている。
爆発し、そして収束に向かう、いわば自然の摂理というわけである。
言い換えると自然の秩序ということだろう。
増えすぎたものは減少する。
減りすぎたものが増加に転じる。
日本列島という限定された枠組みに住む民族は無鉄砲に増えるわけにはいかない。
日本民族は適正人口に向けて着々と歩を進めているとみた方がいい。
人口爆発は終焉したのである。
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