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サーチナニュース 2012/03/15(木) 15:08
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0315&f=politics_0315_014.shtml
復興で日本が難局から脱するのは難しい=中国人有識者
中国社会科学院日本所所長の李薇氏はこのほど、震災からの復興で日本が難局から脱するのは難しいと論じた。
中国網日本語版(チャイナネット)が14日付で報じた。
以下は同氏の発言より。
東日本大震災による津波や原発事故から1年が過ぎ、日本が大災害を切り抜けたかどうかに関心が集まっている。
また日本の国運が大きな転換期を迎えているこの時期に構造的な矛盾を乗り越えるかどうか、国の発展のためにどのような立場と行く末を導き出すかが注目されている。
日本は1年で一定の回復力があることを示したが、手に負えない問題も明らかになり、復興も大幅に遅れている。
放射能汚染区域の住民の今後の生活、がれきの処理や土壌汚染の対策など困難は極めて多い。
また汚染被害の賠償問題に関する対応も混迷し、長期化している。
震災後の再建が後押しし、2012年の日本経済は11年に比べれば回復が期待できるが、高い人件費や法人税率、円高、電力コストの上昇などが足を引っ張っている。
日本の自動車業界は好調だが、家電やIT産業、造船業など、従来は日本の強みだった産業は激しい競争によって深刻な赤字が続いている大手企業も少なくない。
製造業の海外移転が加速する状況も避けられない事態となっている。
政局の雲行きも怪しい。社会保障・税制一体化改革は政府が経済と社会の発展のために打ち出した政策であり、税収と社会保障制度の構造的な矛盾を解決することが目的である。
政策の有効性や合理性などについて与野党の意見は一向に集約できないままである。
与野党の協議は総裁選の前倒しを探る動きにまで発展している。
また、長期的な構造問題はますます深刻化している。
人口構造は十数年に亘って続いてきた日本経済の低迷のおもな要因である。
日本はすでに高度経済成長期の「人口ボーナス」期から経済成熟期の「人口負担」の時代に突入している。
2011年末まで、
日本の労働人口は毎年1%のスピードで減少し、
経済成長に0.7%のマイナス効果を及ぼし、
毎年0.7%の労働生産性の伸び率を相殺
してしまう。
人口構造の問題に関連して、社会保障制度の支出が財政支出に占める割合が年々上昇し、財政負担が高まっている。
公共債の残高が国民預金残高である1400億円に近づきつつあるなか、国民の我慢は極限まで達している。
政治構造の制約によって、日本では改革に対する共同認識を得るのは難しい。
政党政治は民主政治という初志から遠くかけ離れ、政権の維持こそが最大の政治目標という考えが強まり、世論を利用し、また逆に世論に振り回されているという現状だ。
今のような政党政治の構造では、どんな改革法案も政権を危険の渦中に導いてしまうため、実行しないに越したことはなく、また実行すること自体が難しい。
また、日本の立場と外交戦略は保守的な方向へと戻っている。
民主党政権は国の立場と進行方向を自民党時代の古い道へと戻している。
つまり、日米同盟の深化が日本の戦略的な選択であり、国家の目標を達成する手段であると考えている。
しかし、「正常な国家」という目標、「米国と親しくなる」という戦略的選択と日本自身の客観的な条件との間には構造的な矛盾が生じている。
米国は昨年、戦略の重点を中東から「中国けん制」へと変換することを強調し、そのうえで日本との同盟の安定を最優先にした。
日本はこれを戦略的なチャンスと考え、最重要同盟国という特殊な身分で、積極的に米国のアジア太平洋戦略に参入した。
しかし、米国の戦略と外交関係は日本の必要に応じて計画されているわけではないため、米国の行動、特に米中関係に日本は過剰反応することとなった。
日本は一方で「米国の中国とバランス良くけん制し合う戦略」に参加し、もう一方では中国の急速な経済成長のチャンスを逃すまいとしている。
日本はこの「三角関係」の確立を提唱している。
しかし、日米同盟を前提とした「三角関係」の枠組みはあり得ない。
日本の外交・安全保障における戦略的選択と中国市場の長期的な発展から利益を得たいという考えには構造的な矛盾が存在するのだ。
このような矛盾を克服するには、今後もしばらくは抑制と忍耐が必要になるだろう。
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サーチナニュース 2012/03/11(日) 16:16
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0311&f=politics_0311_007.shtml
野田首相が語る復興への道 「日本再生は使命」
東日本大震災が発生してちょうど1年が経過した。
中国網日本語版(チャイナネット)の記者が震災復興の難しさと曲折、これからの決意や希望について、野田佳彦首相に取材を行った。
以下は同記事より。
記者:
1年前、日本は未曾有(みぞう)の大震災に見舞われた。
日本は大きな痛手のなかから経済をある程度加速させてきたが、これはどうやって実現できたものと考えているか?
野田首相:
当時、われわれには一つの信念があった。
大地震による被害に打ち勝ち、1日も早く被災地に復興の鐘を鳴らす。
われわれはこの信念を胸に、震災以来、国を挙げて懸命に取り組み、今に至った。
われわれは国会で第3次補正予算と関連法律の制定を行い、これによって震災復興部門、債権交付金、債権特区制度などに明確な道筋をつけたばかりだ。
特に再建を担う復興庁は、被災地に深くかかわり、被災地の要望をきめ細かく受け入れた施策を行っていくためのもので、全国の再建の“司令塔”となり、再建と復興を推進・けん引していく役割を果たす。
大震災に直面した日本は、難しい挑戦を迫られている。
現状を回復するだけでなく、新しい日本を再建する。
これは、今の時代の日本人が歴史から与えられた使命だ。
復興に向かう歩みを速め、再生可能なエネルギー、リハビリ用ロボットを導入するなど医療改革を通じて、われわれは災害復興の先駆者的事例となるだけでなく、同時に日本経済の再生を進めたいと思っている。
復興の(外資投入、観光目的)の訪問であれば、すべて日本復興の力となり、われわれが歓迎するものだ。
東日本各地の被災地と力を合わせて、日本国民全体が心ひとつに「復興を通して、日本を再生する」という新しい歴史を作り上げていきたいと思っている。
記者:
日中は隣国同士であり、日本経済の再建過程で、中国の果たす役割については、どのようにお考えか?
野田首相:
震災後、胡錦濤主席はすぐに日本駐中国大使館を訪れ、お見舞いとお悔やみをくださった。
また、各界からのお見舞いや激励を頂戴し、緊急援助隊や救援物資など、物心両面からの支援をいただいた。
この場をお借りして、重ねて御礼を申し上げたい。
また、2011年5月の日中韓首脳会談では、温家宝総理が自ら被災地の慰問に足を運んでくださり、温総理と被災者の交流では多くの人が涙を流したと聞いている。
われわれは中国から温かい支援、激励をいただき、日本人の多くが日中関係はさらに強まったと感じたと思う。
永遠の隣国として、これらの支援はわれわれに日中間の源遠ければ流れ長しの友好関係を思い出させた。
記者:
日本はどのようにして中国との戦略的パートナーシップを構築すべきと考えているか?
野田首相:
今年は日中国交正常化40周年にあたり、安定した発展基盤を作り上げる絶好の機会だ。
私は、戦略的互恵関係に「6つのイニシアチブ」を主張している。
すなわち、
1.政治的相互信頼の増進、
2.東シナ海を「平和・協力・友好の海」とするための協力の推進、
3.東日本大震災を契機とした日中協力の推進、
4.互恵的経済関係のグレードアップ、
5.両国国民間の相互理解の増進、
6.地域・グローバルな課題に関する対話・協力の強化
だ。
われわれはこれを基礎として、戦略的互恵関係をしっかりと進化させていきたいと思っている。
私は1984年、日中青少年交流会3000人訪中団に参加し、初めて中国を訪問した。
私はこれからも青少年がさまざまな場面で双方向の交流を重ね、あらゆる場面で相互理解と信頼を進められるように努力していく。
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