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TBSニュース
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日経新聞 2012/3/12 9:55
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E3E0E2E29A8DE3E0E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2
幹細胞1個から大腸組織再生 難病治療に応用も
東京医科歯科大学の渡辺守教授と中村哲也講師らは、大腸の上皮にある幹細胞1個から傷ついた組織を再生することに成功した。
マウスを使った実験で、取り出した幹細胞を体外で大量に培養する手法を開発。培養細胞を大腸に再び戻すと、傷を覆うようにくっつき正常な組織に育った。
ヒトに応用できれば難病の潰瘍性大腸炎やクローン病の治療、大腸がん手術後に大腸が狭くなる症状の緩和などに役立つという。米科学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に12日掲載された。
実験で大量に増やしたのは、複数の種類の大腸上皮細胞に育つことができる体性幹細胞。
マウスの大腸上皮の細胞を取り出して幹細胞を増やす因子をふりかけ、コラーゲンなどと一緒に浮遊液の中で育てた。
薬で腸炎を起こさせたマウスの肛門から粘性のある液体と一緒に注入したところ、1週間で傷口にくっつき徐々に正常組織を作り出した。
6カ月後には傷は治り、がん化もしていなかった。
「注入した大量の幹細胞が次々と上皮細胞を作り出し、組織を再生した」(渡辺教授)
とみている。
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毎日新聞 2012年3月12日 11時02分(最終更新 3月12日 11時11分)
http://mainichi.jp/select/science/news/20120312k0000e040142000c.html
幹細胞:傷ついた大腸の修復 マウスで成功
大腸のさまざまな細胞になる幹細胞を体外で増やし、傷ついた部分に移植して修復することに、東京医科歯科大の渡辺守教授(消化器内科)らのチームがマウスで成功した。
ヒトの大腸の難病治療につながる可能性がある。成果は12日、米科学誌ネイチャーメディシン(電子版)に掲載された。
大腸の内壁表面にある「上皮細胞」は、傷つくと潰瘍や大腸がんにつながる。
チームはマウスの上皮細胞を体外で大量に培養する技術を開発。
この技術を使うと、上皮細胞に多く含まれ大腸のさまざまな細胞になる能力を持つ幹細胞も増やせることを確かめた。
増やした幹細胞を、特殊なゼリー状の物質に混ぜ、人工的に潰瘍を作り出したマウスの患部に移植したところ、約4週間後には周囲の上皮細胞と変わらない正常な組織になり、潰瘍を修復できた。
この状態を6カ月以上維持できたという。
チームは、ヒトの大腸組織から上皮細胞を体外で大量に増やす技術も開発している。
渡辺教授は
「難病に指定されている潰瘍性大腸炎や、炎症を起こして肛門付近に穴が開く痔(じ)ろうなどの治療に生かせる可能性がある」
と話す。【久野華代】
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