2012年3月11日日曜日

日本人は貯蓄をいつ使い切るか

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● レコードチャイナより



朝鮮日報 記事入力 : 2012/03/11 09:15
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/11/2012031100129.html

【コラム】日本の年金安全神話の崩壊

 韓国政府は国民年金について、2060年までは年金積立金が枯渇しないなど、日本の年金よりはるかに安全で持続可能だと主張している。
 日本は、年金積立金が急減しているため年金が破綻する可能性が高まり、そのため足りない財源を消費税の引き上げで補充しようとするほどに追い込まれている。

 とはいえ、日本の年金の没落過程を見ると、韓国の年金も大言壮語する状況ではないと思われる。
 日本政府は04年に年金保険料を引き上げ、国民に対し「100年安心年金制度」と豪語した。
 ところが、日本政府が声を大にしてPRしていた瞬間にも、日本の年金は破綻の危機にひんしていたのだ。
 06年には149兆円あった積立金が11年には112.9兆円となり、わずか5年で30兆円以上も減少した。
 国民が納付する保険料より、支給金額の方が多く、年金の赤字が毎年雪だるまのように膨れあがったからだ。
 このままでは、20年後には積立金が底を突くなど、事実上破綻を免れないという見解が出ている。

 日本の「100年安心年金制度」が、このように数年もたたずに「ほら話」に転落した理由は何か。
 非現実的なシナリオを基に年金財政の展望を描いたからだ。
 日本政府は、物価上昇率が年間1%、賃金上昇率が2.5%、基金投資収益率が4.1%になるというシナリオを前提に、年金財政を計算した。
 ところが、年金の投資収益率はマイナスになった。
 また、景気低迷により賃金は低下している。
 経済が成長すれば賃金が上がり、賃金に比例して納付する保険料が増え、年金財政は堅固になるが、実際の状況は逆に向かっているというわけだ。
 そのほかに変数となったのは、非正規職だった。
 非正規職が急増し、国民年金の保険料納付率は60%以下に急落した。

 韓国の年金も、日本の年金に劣らずさまざまな楽観論を根拠に設計されている。
 LG経済研究院の報告書によると、韓国の国民年金は、2011-20年の経済成長率を4.1%、実質賃金上昇率を3.6%、投資収益率を6%台と想定している。
 このため、賃金上昇率と投資収益率が予想を大幅に下回った場合、韓国も積立金が数十年早く枯渇する可能性がある。
 韓国の国民年金は、投資収益を高めるため、株式や海外不動産への投資比率が高い。
 このため現在は比較的高い収益を得ているが、景気が冷え込めば半減するなど、リスクはかなり大きい。

 さらに大きな問題は、少子高齢化だ。
 若年人口が減り、年金を受け取る高齢者が急増すれば、年金財政の枯渇は瞬く間に現実のものになる。
 また、高齢化は内需市場の縮小をもたらして経済成長率を低下させ、失業者を増やし、賃金を下げる。
 日本は、年金財政を設計する際、高齢化が招く内需市場の縮小という変数に対し、考慮が不足していた。
 日本は、若年人口の減少により、自動車販売台数やデパートの売り上げなど、内需市場の規模が数十年前の水準に逆戻りし、景気低迷が長期化している。

 しかし、もしかすると最大のリスクは政治かもしれない。
 日本の政治家はこれまで、迫り来る年金危機については知らんぷりをし、ばら色の展望で票集めにばかり夢中になっていたのだ。




レコードチャイナ 配信日時:2012年3月11日 7時6分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=59454&type=0

日本人は貯蓄をいつ使い切るか

 2012年3月8日、在日中国人エンジニア、兪天任(ユー・ティエンレン)氏のコラム
 「日本人は貯蓄をいつ使い果たす?」
が香港フェニックステレビ傘下のポータルサイト・鳳凰網に掲載された。
 以下はその内容。

 外務省が先日発表した統計によると、2011年の直接投資収支は9兆3012億円の赤字で、日本から海外への資金流出は前年より84.2%増。
 対外直接投資の収支は9兆1180億円で、同84.6%増。
 流出額が前年比50.2%増の17兆8957億円、撤退などに伴う工場や保有株の売却による流入額は25.9%増の8兆7777億円だった。

 反対に海外企業による日本への投資を示す流入額は同34.3%減の3兆2628億円。
 撤退を示す流出は同32.1%の3兆4459億円で、1832億円の赤字だった。
 日本企業の経営者は
 「この20年、日本で唯一伸び続けたのは高齢化だけだ」
と嘆く。
 少子高齢化や高い人件費と法人税、円高、東日本大震災による慢性的な電力不足により、日本・海外問わず、投資先に日本を選べない状況となっている。

 全世界が欧州債務危機に注目しているが、実は欧州各国にとって厄介者扱いされているギリシャの方が日本より経済状況はかなり良い。
 現在、日本の国家予算の半分は借金返済にあてており、その額は1000億円に上る。
 これでは外資を引き寄せることはできない。

 2008年の金融危機以降、米政府はかなりの手間と労力を使って製造業を米国に呼び戻した。
 20年前のバブル経済崩壊の時、製造業が大挙して日本を離れたが、日本政府はほとんど何の手も打たなかった。
 自民党時代も現政権の民主党も同じことだ。
 彼らは日本が抱えている深刻な問題を把握していない。

 それは、日本人の貯金もいつかは使い切る日が来るということだ。




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